先週各需要家が10円下げを発表したが、それに輪をかけて海外の価格の下落が止まらない。中国向けで言うとCIFで1400ドル台に突入している。これは足元の為替にて190円を切りそうな価格帯である。そもそも国内需要家には需要自体が薄いので、そこから考えるに近々で最低でも後10円は値下げ、更にはその先も有り得る状況である。
先ずは大手輸出シッパーが5円の値下げをアナウンスした。これは大手国内ミルへの呼び水であろう。本来は5円で済むわけは無く、この行為に乗って大手国内ミルが下げ発表を促し、その下げ幅によってはそれに合わせる形をとって追加値下げを行う筈である。
市況
先週末に関東専業ミルが月末迄の荷止め延長を発表、それをトリガーとして国内大手ミル・国内特殊鋼ミル・大手輸出シッパーと軒並み国内の需要家が10円値下げをアナウンスした。今迄中国向けに対抗しての価格維持が行われてきたが、そもそもの国内需要の低下・中国国内価格の低下・LMEの値下がり・円高傾向と値下げを行うに十分な条件が揃ってしまった結果、価格維持の必要性は無くなってしまった。各需要家共我慢の購入をしてきたが、ようやく値下が出来たというところであろう。
これでボトムかというと、どうもそうは思えない。冷静に考えると未だ5円程の下げ余地は残っているのではないだろうか。
そもそも数量を絞りたい国内専業ミルが市況とは別に個別の判断にて値下げを行い始めた。大手国内ミルも必要以上に数量がいらないのは同様であるがひとまず弱いながら市況並みの対応はしている。ここへきて中国向けの動きも萎む中で、久々に大手輸出シッパーが存在感を強めてきている。価格的には一時に比べればそれ程高いとは言えないまでも、今の足元では最高値になっており、荷動きが非常に悪い中で着実に屑は集まっていると思われる。どこまでそれが続くのか静観したい。
月が変わったものの、市中の状況は殆ど変化がない。強気は殆ど無いものの、かと言って弱気一辺倒でもない。国内メーカーの購入姿勢は先月よりも落ち込んでおり、又、中国本土の買値もLMEの下落により先週辺りからかなり下がってきている。ここに台湾向けであったり、インド向けであったりが、そこそこの価格を提示してきている為に、下がりそうで下がらないといった状況を作り出している。一つ言えるのは、今は物を抱える時期ではなく、フロー集荷の分はフローで出荷するのがベストではないかと思われる。
状況は先週と変わらず、弱含みのまま推移している。一部中華系業者の中には未だ高値が残っているとこともあるが、市況を支える程ではない。
LMEについても、ここのところ着実に下がってきている。最近ではあまり指標にはならないものの、一応ここにも上げを意識させる要素は皆無である。
このままいけば3月は下げが濃厚なのではなかろうか。
全体的にかなり状況は悪い。荷動きも悪いが、需要家の購買意欲も全く上がらない。頼みの輸出についても、為替は先週後半から円安に振れているが、メインとなる中国国内の購入価格が一般的にCIF1700ドル~1750ドルだったものが円安とともに1650ドル付近迄下落、国内価格としては@210でも厳しい状況である。となれば、市中の相場も最低5円程下落しても致し方ない状況になりつつある。
旧正月が明けて中華系が徐々に動き出している。関東では中国本土の価格と足元の為替にて算出される理論値を越えた価格で購入を始めている。まさに先高感の予想にての先行買いである。ということは、いつトーンダウンしてもおかしくないという事でもある。数量で握っていても手のひら返しは彼らの得意とするところであり、この購入価格をベースにして仕入れをすることはリスクが在りすぎる。
基本的には市況は現状維持で見ているのが正解であろう。
2月に入り、未だ市況は大きく動いてはいない。一部では若干高めの購入価格も出てはいるが、市況を動かすほどのレベルではなく、大きなうねりは出ていないのが実情である。
現状2月若しくは3月に値上がるという考え方があり、値上がり期待と季節要因でこのような状態でも荷動きは停滞しているが、国内ミルがかなり購入量を絞っているなかで大量のスクラップが流通しだすと、輸出シッパーもあまり元気がない中で、行き場を失ったスクラップがかなり滞留することになるかもしれない。
市況は先週と変わらず、動きは殆ど見られない。今月も残り2日であるので、当初から市中で言われていた通り、旧正月明けの中国向けがどのような動きになるかで2月の傾向が分かってくると思われる。
国内メーカーについて販売不振は変わらず、製品市中在庫も余剰レベルであることから、受注調整で落ち着かせていこうとしているが、外材の入着量が毎月伸びていることを考えると、シェアだけ失い市中の在庫レベルも低下しない恐れもあるのではなかろうか。となると生産量も回復出来ない可能性がある。
中国が旧正月となり、中国向けの話はピタッと止まった。2月になるまではこちらは動きは無いだろう。2月以降中国向けは上がるという意見と下がるという意見が夫々あり何とも言えない状況である。
一方韓国向けも、大手輸出シッパーが市況並みの単価迄は戻ったものの、今一つ買い気が見受けられない。
国内ミルは専業二社共販売不振からの減産を強いられており、こちらも市況並みの単価は出すも、数量という点においてはかなり絞った買い方にならざるを得ない。
今の状況は価格というよりも、数量をどうさばくかをよくよく検討しなければならない時期と言えるだろう。