先週半ばからLME急落で17000ドルを切ってしまうのかと思われる展開が続いている。このまま17000ドルを切ったら下げも有るのかという状況であるも、需給だけを見ればここで後退出来るところは輸出シッパー・国内ミル含めて無いと私見ではあるが、そう考える。

先週についてもおおよそ18000ドル前後にてLMEは膠着していた。
但し、市中の状況に付いては現在のシッパー・メーカーの建値はさておき、一週間で裏値が変動している。実際に購入価格がいくらなのかは、全く把握できない状況である。
国内ミル・シッパー共需要は旺盛であるので、今後もこの状況は変わらないであろう。

6/7市中状況
LMEの価格自体は18000ドル前後で安定している。
市中の荷動き自体は相変わらず低調な状況である。ここ数か月屑の発生自体は目に見えて減っているとは思えないものの、全体的に屑が足りないと感じるのは大手輸出シッパーだけでなく国内ミルが屑確保に本腰を入れてきたことにある。この状況は今後かなりな期間続きそうである。

5/31市中状況
まさに青天の霹靂というしかない状況が先週であった。LMEが17000ドルを切るかという状況で国内ミルを含めて各業者間でも値下がりは時間の問題という認識で統一されていた。しかしながら大手輸出シッパーが値上げ、しかも10円という暴挙に近い行動に出た。集荷がかなり悪く、インパクトのある行動が必要だったのだろうが、結果他のミルも追随でその効果は限定的になってしまった。その後LMEも値戻しして、今となってはそれ程インパクトのある価格とは言えなくなてしまった。但しこれ以上の値上げは暫くは見込めないとは思える。

先週はLMEのNi価格は1000ドルの範囲で乱高下を繰り返し、結局17000ドルギリギリのところで終わりを迎えて、一時18000ドル超えでもう一段値上げを考えていた人にとってはその後の値動きは冷や水であったろう。銅などがかなりの高値を付けていることもあって市中の意識がステンレスではなくそちらの方に向いているのは致し方ない。ゴールデンウイークの影響も有り、荷動き自体も少ない中で銅の高値と値上げ期待でかなり低調だったが、LMEが余り期待できるものではなくなっていることからようやく荷動きも出て来るだろう。

予想通り大手輸出シッパーを皮切りに先週後半に5円の建値上げが行われた。但し、今回の値上げはいつもとは違い、国内ミル主導の裏値に輸出シッパーが追随したとみるのが正しい。この表面上の5円上げによって裏値にての集荷競争が落ち着くとは思えない。実際更なる上値の話も出てきている。

GW明けてからLMEに付いては18000ドルを超えて、市中状況としてはもう一段の値上がり期待から荷動きはその件と連休を合わせて低調である。
最近市場の裏値をけん引していた輸出業者と国内電炉ミルにプラスして、韓国向け輸出シッパーについても市中価格を5円程上回る単価の提示も散見され、無い物高も加わって、かなり裏での単価競争が激化している。
LMEの動きを見る限り正式な5円値上げも近いとは思われるが、実際の市中相場としてはその5円上を行くと思われる。

2021年5月6日

4月の最後の最後にきて相場が動き始めた。上がりかけたところでゴールデンウイークに入ってしまったが、ロンドンは3日からスタートで大幅な上げになっている。
大手輸出シッパーが4月の終わりに、連休明けの相場次第では値上げも有り得るというコメントを出していた。まさにそのような状況になりつつある。まずは連休明け5円の値上げが行われるのは間違いないだろう。

LME Ni価格及び各国内ミル・輸出シッパーの購入価格は一切動かない表面上穏やかな月となってしまった。しかしながら、水面下での裏値合戦は熾烈を極めていたように思える。全ての購入価格が@150前後であるにも関わらず、一般的な問屋の購入価格として@155迄吊り上がっていた。これからの第一四半期の生産、販売が好調になってきている国内ミルがスクラップの集荷にかなり力を入れてきているのが一つの要因で、来月についても特段のトピックスがなければ、建値は上げたくないが集荷はしたい国内ミルが一つの指標になりそうである。

4月に入って建値自体は一切変わらないにも関わらず、水面下では熾烈な単価競争が行われている。一方大手輸出シッパーに付いては、韓国ミルの生産減・設備トラブルの影響はあまり感じられないも、積極的な購入にも動いていない。
国内ミルについては今後の生産計画も順調であり、積極購入が続いている。