7月は最後に大手輸出シッパーが5円の値上げにて終了。韓国ミルの8月生産量回復を受けての処置と思われる。LMEのNi価格も13000ドル後半にて、市場では値上げ期待からスクラップの流通量が一時的に減少している。
注目は8月になり国内ミルが追随するかどうか。業績見通しから言えば値上げしたくないのが本音だと思われるも、直納筋からの圧力も有り、引きずられることになるであろうと思われる。
市況
Ni価格が13000ドル台で推移し、輸出シッパーの動きも停滞している関係で全体的には静かな状況になっている。スクラップの集荷自体は先月に比べると上向き。市中発生量も想定された程低空飛行にはなっていない。日本の中小製造業は車の製造が動き出すと全体が動き出す傾向が有り、他力本願になってしまうが、何とか自動車メーカーには頑張っていただきたいものである。
インドネシアの青山集団のステンレス製品が全世界でADをかけられ、販売が苦戦を強いられているそうで、その分を韓国と台湾が吸収し始めている話も散見されております。最近、台湾や韓国からのステンレススクラップの引き合いが国内で高まっているのもその影響かもしれません。
さて、国内に目を向けると国内ミルは現状を打開する販売数量を未だ確保出来ておらず、上期の減産基調は相変わらずになっております。スクラップの使用量も上がらずですが、市中発生についても同様に量が上がらずで、本格的に動くのは下期以降になる見込みです。
7月に入りLME Ni市況は7月に入り6ドルを超えて現状6ドル前後を行き来している。各業者が値上げをするも、荷動きは相変わらず低調。
7月からは自動車の生産量が概ね戻るなどの要因もあり、製品市況的には底は見えつつある。
但し、スクラップ市況にそれが反映するにはまだ数か月かかると思われる。
輸出シッパーが月内に入り値上げをした事を皮切りに国内のミル及びディーラーも一斉にそれに追随する形になった。
本来の製品市況が悪い中ではあるも、先月より続いている「無い物高」と将来的なステンレススクラップの集荷力の減退を懸念し、国内ミルは値上げを決定した。
スクラップ流通量は6月から明らかに減ってきており、輸出シッパーにおいても契約トン数確保は中々難しく、ある程度利幅を削っても集荷をするという思惑も透けて見える。
6月も終盤に入り輸出シッパーが7月以降の荷出しを睨み集荷意欲を高め、スクラップ発生減も加わり購入単価もじりじりと上積みされてきている。日本の国内ミルも前回の値上げには同調したものの根本的な販売不振は変わっていない為、今のジリ高に追随出来るかは不透明である。現状のまま推移するのであれば、その間にかなりな数量のスクラップが海外に流出するであろうと推測される。
6月中旬に入りステンレス(304)スクラップの相場はようやく動きを見せ、先週末の国内ミル2社と輸出大手の値上げ発表で、目先は国内大手ミル1社の動向に注目される。既にこれを受けて市中の問屋、中間業者は同調値上げで集荷を重視する傾向に入った。
深刻な発声不足とLMEニッケル価格の上昇が値上げ材料の主な要因になっている。
6月に入ってLMEニッケルが続伸する中、国内ミルの減産で内需が更に低迷。屑の発生も一段と減少傾向は変わらず。ミル各社も地中の荷動きが悪いことは認識済。海外向けの動向も気になるところだが値動きよりも問屋として品薄・集荷減という現象がこの先どこまで続くのか心配されるところ。
6月に向かってステンレス市況は内需低迷を映し国内ミルの原料の購入制限や荷止めが予想される中、相場は様子見状況である。
ニッケルの底堅い値動きと市中屑の品薄を支えに横ばい基調が続く見込み。
5月連休明けもステンレス鋼も国内生産も対水準は変わらずコロナ禍でスクラップの購入制限は長引く見込み。
市場相場も荷動き減少の中、後半も輸出関係の様子を見ながら静観することになるのか。