中部が熱くなっている。中部の特殊鋼ミルに端を発した狂騒曲は中部全体を飲み込み、関東・関西より一歩先に行ってしまっている。これが関東・関西迄波及するかどうかは暫く見守る必要があるが、この混乱のとどめを刺したのが関東ミルの高値買いという話もあり、何とも言えない状況になっている。
現状足元ではここ最近底値が上がってきた関西と、暫く凪いでいる関東が同水準であり、あまり余計な動きはしないで欲しいものである。
市況
韓国ミルが横ばいで4月価格が決着した。直納業者が値上げを希望していたが、却下された形である。これにより日本国内も一旦値上げの動きは沈静化した。4月に入り完全に上値は止まり市況は安定してきた。一部では今月後半から値下げがあるのではないかという声もあるが、上がる要素も下がる要素もないのが足元であろう。各業者さんもそろそろ上値限界を感じ取っているのか、スクラップの流通量が若干であるが増えてきている気がする。
韓国ミルの4月価格が出ない。上げたくないメーカーと上げたいサプライヤーの間で鬩ぎあいが今回も起こっており、結局月内には決着しなかった。妥協の上若干の上げになったとしても、日本のマーケットに影響が出るかは微妙な所ではないか。寧ろこの横ばいが暫く続くのではないかと思う。今の価格水準に来る迄に、みんな無理をしすぎているので、ここらで冷静になるもの宜しいのではないか。
基本的に先週は殆ど動きの無い一週間であった。
しかしながら関東の電炉メーカーが一部高値を付け始めている動きが在り、それに韓国向け輸出シッパーが対抗している気配もあるが、基本的には市況を動かすほどではなく、今後の動向は今週出るであろう韓国ミルの来月の価格と為替の推移となる。又、関西方面で一部中華系の買い気が強くなっているのが多少不気味なところ。
現在の状況は強くも弱くもなく平行状態であろう。
先行して市中価格が高かった関東は一旦落ち着きをみせてきた。下がる訳ではないが上がりもしないという凪いだ状況である。寧ろ関東より安値取引だった関西方面がじりじりと上昇している様である。遠からず関東と並ぶのではないか。どちらにしても一定以上の値上げは当面なさそうで、今から大幅な円安にでもならない限り変化は無いだろう。
上値への上伸は勢いが鈍化してきた。LMEは17000ドル台をキープしているも円が高くなった影響とそもそもが買値の限界値に近づいているのだろう。
市中では更なる高値への期待が出ているが、手じまいは近づいていると思われる。但し、発生数の少なさは解消に向かっていないので、無い者高での高止まりは暫く続きそうである。
全体的にもう少し上伸しそうな状況である。足元のLME価格・為替を考慮すると決して現在の価格が高い訳で無く寧ろ今が丁度いいという考え方も成り立つ。韓国ミルの3月の価格交渉が業者との間で決まっていない。下げを示唆していたミルと、それを拒絶した業者達との間で綱引きが行われている。これがどの様な形で決着するかで、今月の日本の市況にも影響を与えるのは間違いない。
状況とは真逆のじり高を演出していたマーケットも、LMEの上げと円安が進んだ事で、何となく追い風が吹く感じになってきている。
個人的には未だこの上げ基調に正当性は感じられないが、ここからもう少し進むのか、止まるのかは今週韓国ミルの3月価格の発表も一つのヒントになるだろう。中国向けが鳴りを潜めている中で韓国向けの数量比率は大きいが、実は価格だけ言えば一番は台湾向けだったりする。潜在的にこれがあることと、最近関東ミルが一部高値を出し始めている事がマーケットをややこしくしている。
ジリ高は止まらず、発生量は増えず、中々厳しい状況にはなってきている。シッパーも契約トン数が集まらないからペナルティを避ける為に多少の赤字覚悟で単価をあげてくるという悪循環を行っている。であるならば、出来ない契約を最初からするなとは言いたい。全体に迷惑な話である。彼らがばらまく無理な単価が彼らは意図していなくても、それが市況になり、又自分の首を絞めていく。そんな繰り返しである。価格を吊り上げるしか手がない営業もどうかと思う。
先週に入り、シッパー各社が一斉に価格を上げてきている。なりふり構わずといったところであろうか。各社共市況云々は考慮していないであろうが、結果的に市況全体を押し上げる事になってしまっている。これは関東だけではなく、関西でも同様の状況になっているのだろう。もう既に彼らの損益分岐点は超えてしまっている。数量ショートよりも購入価格で赤字を選んだという事なのかもしれない。中々儲けを考えない人と争うのはしんどい事である。