全体的にもう少し上伸しそうな状況である。足元のLME価格・為替を考慮すると決して現在の価格が高い訳で無く寧ろ今が丁度いいという考え方も成り立つ。韓国ミルの3月の価格交渉が業者との間で決まっていない。下げを示唆していたミルと、それを拒絶した業者達との間で綱引きが行われている。これがどの様な形で決着するかで、今月の日本の市況にも影響を与えるのは間違いない。
市況
状況とは真逆のじり高を演出していたマーケットも、LMEの上げと円安が進んだ事で、何となく追い風が吹く感じになってきている。
個人的には未だこの上げ基調に正当性は感じられないが、ここからもう少し進むのか、止まるのかは今週韓国ミルの3月価格の発表も一つのヒントになるだろう。中国向けが鳴りを潜めている中で韓国向けの数量比率は大きいが、実は価格だけ言えば一番は台湾向けだったりする。潜在的にこれがあることと、最近関東ミルが一部高値を出し始めている事がマーケットをややこしくしている。
ジリ高は止まらず、発生量は増えず、中々厳しい状況にはなってきている。シッパーも契約トン数が集まらないからペナルティを避ける為に多少の赤字覚悟で単価をあげてくるという悪循環を行っている。であるならば、出来ない契約を最初からするなとは言いたい。全体に迷惑な話である。彼らがばらまく無理な単価が彼らは意図していなくても、それが市況になり、又自分の首を絞めていく。そんな繰り返しである。価格を吊り上げるしか手がない営業もどうかと思う。
先週に入り、シッパー各社が一斉に価格を上げてきている。なりふり構わずといったところであろうか。各社共市況云々は考慮していないであろうが、結果的に市況全体を押し上げる事になってしまっている。これは関東だけではなく、関西でも同様の状況になっているのだろう。もう既に彼らの損益分岐点は超えてしまっている。数量ショートよりも購入価格で赤字を選んだという事なのかもしれない。中々儲けを考えない人と争うのはしんどい事である。
2月に入り、また一段単価は上がってきた。大手輸出シッパーや中部ミル等が余りの集荷の悪さに耐え切れず価格を上げに踏み切ったのだ。状況は決して上げの方向は向いていない。完全に無いもの高の悪循環に入っている。2月中旬以降から発生が多少上向く期待も持ちながら暫くは我慢であろう。
軒並み集荷数量が減っており、各業者共かなり苦戦している状況である。じりじりと価格は上がってきているが、やはり飛び抜けた所は無く、暫くはこの辺りの攻防となるのであろう。スクラップの発生状況は最悪で、2月もかなり苦しい状況は変わらないと思われる。価格もこれ以上は上がらないとすると、集荷を落とさない為には、どれだけそれ以外のメリットを出せるかがポイントになってくる。
いよいよ大手輸出シッパーの購入姿勢が強くなってきている。市中発生も未だ本調子ではなく、発生量は低位横ばいのままである中で輸出向けとの玉の奪い合いという図式になりつつある。但し、単価自体がうなぎのぼりするかというとそこまで強い状況でもなく、一定ギリギリのラインで早い物勝ちといったところであろうか。
大筋では9日から始まりの所が多く、未だ本格的に業界が動いていないのもあって、実際の集荷は少ないままである。今週から徐々に増えてくるかとは思われる。
そんな中、韓国向けが徐々に勢いを付けてくるのではないかという話が出てきている。実際大手輸出シッパーは昨年15円目の下げを回避し、今年に入ってもそのままである。韓国ミルと増量の契約をしたのではないかという話も出ていて、かなり強気に出てくるのではという警戒感を持って今週の状況を見極める必要がある。
明けましておめでとうございます。
昨年12月はスクラップの発生がかなり少なく、メーカーの減産以上の発生減といった感覚を全国で持っていたと思われる。概ね発生工場においても在庫調整がピークになっているのが主な原因だろう。1月は日数も少なく、更なる集荷難となりそうである。
そんな中で、韓国向けが又盛り上がりそうな気配がある。それが争奪戦になるのかどうかは今の時点では分からないが、既に水面下では価格がじりじりと上がってきている可能性はある。
値下げた先、値下げ無かった先の二極化で今年も終了となる。共通しているのはスクラップの発生が非常に少ないという事だけ。注文が少ないのもあるだろうが、発生工場の在庫調整が主な要因と考えられる。となれば2~3月ぐらいになると、ある程度の在庫調整は終わるのではないだろうか。しかしながら1月は生産の回復も見込まれず、日数も少なく、かなり厳しい状況で一年のスタートとなりそうである。