市中の取引価格はボトムアップしてきているのだが、やはり需要家が際限なくスクラップを必要としている状況でもなく、そこから更に上値が非常に重い。LMEの上げと為替の円安傾向からシッパーの一部は高値を付けたものの、それがシッパー全体を表す動きでもない。結局の所、外部要因はあれども全体の流れを決めるのはやはり需要家の需給であるという事だろう。

韓国向けのシッパーの在庫が減少した関係で若干買値のボトムを上げており、その関係で中間層もボトムアップしてきている。上値がどんどん伸びてくるのかというとそんな事は無いのだが、全体的に平均値が上がってきているので最終的な買値も若干ではあるが上振れてきた。韓国ミルの今月の上げ幅と現在の市中価格を考えると上振れてもわずかであると思われる。

韓国ミルの来月価格が発表された。若干の上げ。韓国向けシッパーは今月の出荷で在庫が薄くなっているのを主要因としてボトムアップを行っているが、上値は伸びていない。現在の状況は確かに国内大手ミルが購入量を絞っているが、それにも増して発生量も伸びないので、9月中旬迄あった弱含み横ばいから、現在は横ばいという感じである。強含み迄は到底いかないのは間違いない。これで10月スタートとなる筈である。

先週と状況は変わっていない。関西方面でも先月の集荷合戦の余波を受けて、今月は価格面もペースダウンしている。関東は高値が無かった代わりに、価格は動いていない。あるレンジの中では上下もあるが、基本的にはそこから外れる価格は存在しない。
但し、荷動きが先月よりは良くなってきているので、需給のバランスが崩れると価格変動があり得るかもしれない。

先週と同様に一部安値修正している業者はあるも、上値はやはり重い。ジワリジワリだが強気と弱気の割合が移り変わってきているのも興味深い。強気の材料もこれと言って無く、若干弱気の材料の方が多い感じで、現状は弱含み横ばいといった所だろう。これが続けばいいのだが。

若干高値で買い取る業者も散見されるが、市況に影響を与えるほどではなく、むしろ大手国内ミルが今月から納入枠のカットを始めたことの方が今後の市況を左右しかねない。カット量はそこまでではないが、一番の需要家がカットするのであるから、今後の需給に非常に影響は出るだろう。緩んでくればその後は値崩れという事も在り得る。

市中の取引が高値の需要家がいないのに、発生減の為にじりじりと上げているのは何処の地域も同様であるが、大口需要家の国内ミルが9月以降購入数量を絞り出す可能性がある。そうなると一気に市中の需給が緩んでくる可能性がある。9月中旬以降にその影響から値下げに転じる状況になるやもしれない。

盆明けての感想は地域の差がかなり大きいなという事である。東北はかなり荷動きが少なく、関東は普通に荷動きがされている。中部・関西は発生工場が多い為にやはり今一つ荷動きは悪そうである。
価格的には一旦落ち着きを取り戻した感はあるものの、やはり関西だけはじりじりと上げに向かっている。軸になって高値で頑張っている需要家は見当たらないのであるも、発生難からの無い物高がずっと続いている。どこも高値の軸が無いのは全国的に同じであるが、このまま上がり続けるとは思えない。もうピークに達しているとも思える。

盆休み前の最後の週になった。先週迄は価格の上伸はなかったが、物量は減っているなりには動きがあった。8月の集荷は今週如何にするかで決まってきそうである。
多分であるが、やはりここから上値が伸びるとは考え辛く、盆明け後の荷動き停滞に対しても淡々とした状況は変わらないと思われる。需給とはいっても周辺環境を考慮すると、上がる要素が全く見当たらないのが主な理由である。

上値は伸びないものの、中部ミルが動いた様に開きすぎた価格の修正でボトムがジワリと上がってきている。全体的な中心値が上がってきたところで、そこから先に進む要素が未だ見当たらない。暫くはこの辺で足踏み状態が続くのではないだろうか。
この1週間が過ぎれば、後は価格が動くにしても盆休み明けという事になるのは間違いない。