先週も先々週と同様にバタバタとした週末であった。そもそも大手シッパーが先行して10円下げていた単価に、国内のミルが1週間遅れで合わせてきたという流れである。ここで落ち着くかどうかは微妙なところで、大手シッパーはここから更に5~10円の値下げを模索している話もある。但し、これ以上の値下げは足元でいうと韓国以外の海外向けの価格に合う事になり、寝た子を起こす事にもなりかねず、混沌としたマーケットを誘発するべきではないと思われる。勿論円高が進めば海外向けは自動的に値下がっていくので、よくよく状況を見極めていった方がいいだろう。
市況
先週ラストに大手国内ミル・中部特殊鋼ミルがこぞって値下げを打ち出し、その後大手シッパーが追加10円下げの発表を行った。これで国内勢が大手シッパーの価格に追いついたと言うや否や更に先に行ってしまった。これは国内需要に比べて海外が数量的に必要としていないのか、それとも価格が弱いのか、どちらにしても海外向けが弱いのは間違いなさそうである。9月1週目の後半辺りか、2週目からは国内勢も追加の下げがあるのは間違いないだろう。下げ幅はそのまま10円いくとは限らないが。
先週は盆休み明けで荷動きは悪いというよりも止まっていると言った方が良い感じである。今週からいくらか動き出すのは間違いないが、市況的に発生が少ない割にはどこも強い需要家も居なく、価格に強気はみられない。寧ろ弱含みでの実質後半スタートといった所だろう。
結局盆休み前には大手シッパーが5回目の値下げ10円、国内大手ミルが4回目の値下げ10円を行い、中部ミルが15円の値下げで、整理すると表面上大手シッパーと関東ミルが並び、国内大手ミルと中部ミルが並んでいる状況である。
一方、盆休み中の状況はLMEも16000ドル前後で推移、為替も140円台後半で推移と、落ち着いていた。
後半からは発生も1週間程度はかなり薄く、荷動きは極端に少ないのは間違いないはずである。しかしながら現状強い材料は無く、更に5~10円の値下げも月末にかけてあっても不思議ではない。
こういう時は慌てず騒がず、淡々とが一番であろう。
本日からシッパーは直近2か月で4回目の値下げ、大手ミルは3回目の値下げ、一方関東ミルも4回目の値下げ、中部はまだ2回?の下げで止まっている。盆休み迄大手ミルの4回目の値下げがくるかどうかは今の所不明。可能性はゼロではない。現状シッパーも殆ど元気がなく、強気で市況を引っ張る役割が居ない状況なので、どちらにしても盆休みを挟んで都合4回目の値下げは不可避であるだろう。
市中の全体的なムードは8月からの値下げに対して致し方なしという感じである。状況的に言えば8月に入っての値下げは間違いないだろう。但し全体的な下げの時期はおそらくまちまちになる可能性がある。各需要家には其々の事情があり、今回は全会一致での値下げにはならない。一つは盆休み前迄がポイントであろう。
LME・為替共に状況は弱気がかなり強まっている。大手シッパー等も来月の韓国ミルの下げを見越してもう一段階下げを検討始めている話もある。以上の状況から見るに来月からの下げは避けられない感じではないだろうか。先月の下げで各業者はある程度の在庫放出は出来ていると思われるので、今月集荷の分は今月で処理するのがベターである。何事もギリギリは無理が出るので、早めに動きをとるべきであろう。
先週中部が全体的に値下がりし、これで全国的に10円下げで落ち着いた。関東の市中では中部が下がらない事からスポットでも高値が出るのではないかとの期待から荷動きが悪くなっていたが、中部が下げた事と、LMEも順調に下がっていることからフローの集荷分を出荷する動きが出てきた。これからの変動要因は韓国ミルがスクラップを足元必要としていることが今後どの様な影響を及ぼすかである。現状必要としているも価格は高値を出さない状況で、日本国内の市況は一旦落ち着いているが、余りに集まらなければ又高値を出し始めると厄介ではある。
今月に入りトータル10円値下げが浸透したのだが、中部だけは最後の5円が下がらない。シッパーに関しても10円は下がっているので、頑張っている意味が分からない。関東の方でも中部が下がっていない事から、どこかがスポットで高値を付けてくるのではないかという憶測で様子を見ている先が多く、発生以上に荷動きが悪くなっている。どこかが高値を付けている訳ではないので対応が難しい。
大手シッパーが先週2回目の値下げを行い、国内大手ミルも7/1からの値下げを発表した。これでピークから10円下がった。中部ミル等も追随すると思われ、一旦10円下がったところから7月はスタートとなる。余程の事が無い限り、暫くはこの価格帯で推移するであろう。関東ミルについても7月後半から定期炉修の為、それ程購入意欲は高くなく、静かな月になりそうである。