6月は終盤にLMEが急落、一時19000ドル台を付けた。しかしながら円安も進んだ為に深刻なダメージとはならなかったものの、海外含めたステンレス市況の弱さを痛感する状況ではあった。
一方、市中の屑発生状況は6月に入りかなり落ち込んでいるという印象を受ける。これから7,8月と通年であれば夏枯れの時期となるが、6月をベースに考えると更に落ち込む事が予想される。
一方需要家の国内ミルは相変わらずで、少なくとも上期一杯は回復の兆しはない。頼みの輸出も決して強いわけではなく、高値を継続している中華系により本来は下げ基調である状況の筈が、彼らの行動により上げ基調にとらえられている。但し、彼らは要らなくなれば突然価格を下げるか、買い止めといった行動をしてくるので、注意が必要である。

先週前半迄のLMEの上げと円安で、市中には先高感がかなり浸透していた。若干高値の中華系業者の存在も有り、荷動きは更に悪くなってしまった。しかしながら先週の後半から円安は徐々に進んでいるものの、LMEは一転下落に転じている。あっという間に21000ドル台を切ってきている。こうなると全く先が読めない状況である。一旦勢いが付くと思われた中華系業者も今週どうなるか分かったものではない。

LMEも下げ止まり、為替も139円前後で安定してきているが、ここにきて中国向けの価格が上昇を始めている。理由ははっきりしないものの、中国国内の価格が他の台湾やインド等比べて若干上げに転じている可能性が高い。これにより日本国内の市中価格が変わることはあまり考えられないが、少なくとも先月後半から出ていた先安感は多少薄らぐのではないかと思われる。

海外市況は値下がりを続けているが、円安の恩恵により日本国内価格はそれ程インパクトがある下げにはなってはいない。又、一時よりLMEが安定してきているので先週前半の様な先安観は薄らいできている。6月のスタートに付いては平行ということである。

順調にLMEは値下がりを続け、一時は21000ドルも切っていた状況で、スクラップを購入始めた中華系もトーンダウンして買値を下げている。海外市況は大幅な値下がりとなっているも、大幅な円安の為に左程国内価格に影響は出ていない。状況としては良くて平行、悪ければ値下がりも視野に入りつつあるという気もする。

LME自体はゴールデンウィーク明けから値下がりを続け、直近ピークより2000ドル以上値下がりしている。為替は円安に動いているがNiの下げ幅の方が大きく円換算では値下がりになっている。今月に入り中国向けの業者が購入を積極的にする様になり、市中では上げ期待から荷動きはかなり低調となっている。しかしながら、海外市況はLME相場の下落からスクラップも下げ基調になっており、もし円高に振れた場合国内市況も一転下げ基調に変わるかもしれない状況ではある。

ゴールデンウィークが明けて、市況は徐々に上げ局面に移ったと思える一週間であった。先月からの引き続きにて各国向けの輸出価格が現在の国内炉前価格に並ぶようになってきた。又、買い気が無かった中華系の動きも漸く出始めている。市中では先月前半の急激な値下げによって、現在の取引価格を大きく上回る簿価の在庫を抱えている業者が多く、値上げ期待を持ち抱え込んでいる。
但し、Ni相場も下落しつつあり、為替も円高に向かいつつある中で、このまま順調に上げ基調で行くか不安は残る。

結局4月後半からは市況は動かなかった。国内で大手輸出シッパーと大手国内ミルのにらみ合いをしているうちに、インド・台湾・中国の買値が徐々に値戻しされ、価格は下げ局面から下げ止まりに移行した。5月に入りここから上げ局面になるのかどうかは海外向けの価格がどう変化したかで決まる。それまでは市中の荷動きも少ない筈である。本格的にはゴールデンウイーク明けてからの状況次第となる。

状況が変わってきている。市中では大手輸出シッパー及び高炉系ミルを除いて夫々の需要家がどんどん値下げを行っているが、海外では息を吹き返したインド向け、下げ止まった感のある中国向けが転機を迎えていそうな状況になっている。ある程度在庫で抱えている業者の存在と、発生自体も少ない中で、流通量自体はかなり先細っている。下げ止まり感が出たところで、ゴールデンウイーク明けには先高観も出るのではないかと思われるが、そうなると更に荷動きは悪くなるだろう。需要家の購入意欲は先細ったままであるので、需給のバランスは意外とマッチするかもしれない。

先週大手輸出シッパーが荷止め明けのタイミングで本日からの5円下げを発表した。これで関東専業ミル以外は3月から30円下げで揃った。但し、夫々の思惑は更に追加の下げに向かっている。海外市況の悪化から未だ5円~10円の下げ余地を残しているからである。
今週もひょっとすると5円程度の下げは在り得るだろう。
ここ半年の市況を支えてきた中国向けは価格の下げを通り越して購入自体に消極的になっている。一方フレートが改善されたインド向けが現状の日本市況と合致する価格をつけ始めた。価格はともかく日本国内で吸収しきれない余剰玉を受ける受け皿となるか注視したい。