年末に近づくにつれ市況は静かになってきている。中国向けも高値圏から標準的な価格に落ち着いてきている。LMEは相変わらず28000ドル付近にいるが、そこについても最近では大騒ぎする状況はない。一旦中華系対抗として値が上がった分がひょっとすると調整で下がるかもしれない。
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12月に入り、LMEが安定しない。乱高下の後、ジリジリと値を上げてついには3万ドル迄来てしまっている。しかしながら一部高値期待の声はあるも、市中は冷静に受け止めている。それはLMEが指標としての価値が薄らいでいる証拠であろう。実際市況は思ったほど上げ基調ではない。勿論下げは無いものの急激な上げもない。中華系の旧正月明けの2月高騰期待論やポスコ再開での大手輸出シッパーの高値買い等、様々な噂話が出ているが、どれも未だ信憑性に欠ける。あまりその手の話に一喜一憂しない方がいいだろう。
LMEの乱高下が収まり、円も139円ぐらいで落ち着き、淡い期待とは裏腹にこれからの上げ期待はほぼ萎んだ感はある。変化と言えば大手輸出シッパーが単価を30円戻して購入し始めたぐらいか。但し、現在の市況からすると突出した数字ではなく、概ね市況なりといったところで、直ちに価格が上がってくるという状況ではない。どちらにしてもこのまま値動き無く12月になると思われる。
先週の円高からのLME Ni相場が急に高騰し、一時30,000ドル付近まで迫る勢いを見せた。この高騰を受けて今年の3月の様な状況が再現されるのではないかと考える人がいてもおかしくない。実際先週については荷動きが完全に止まってしまった感がある。これは様子見に入った業者が多数いたことが要因であろう。3月の様に300円も視野に入るのではないか?等の考えであろうとは思うも、其の後直ぐに相場は急落しおおよそ元の価格に落ちてきてしまった。月初のNi価格と円相場と足元のNi価格と円相場はほぼ同じである。需給環境を考えてもこの先上がっていく可能性は低いのではないだろうか。
先週迄中国向けの勢いが止まらず価格はかなり上昇傾向を向いていたが、週末の円の急騰を受けて、今週はかなり消極的になっている話が出ている。価格も大きいところでは10円程の下げをアナウンスしているところや、買い止めをしているところもあるという状況である。このまま円高が進めば早いうちに中国向けの話は萎んでいくと思われる。まさに円安ありきの価格ということだろう。そうなると市況を支えていた中国向けが後退するので、市中価格は若干の下げに向かう可能性が有る。
但し、韓国向けのシッパーが通常価格にて購入を再開するやもという話も出ている。中国向けと同時であると市況も混沌としてくるが、前述したように中国向けがペースダウンすれば入れ替わるだけであるので市中価格は維持されるかもしれない。
先週より大きな変化はない。現状荷動きが少ないというのは変わらず。荷動きはそもそも少ないのだが、ある程度数量を持っているところは、上げ基調から様子見に入っているのも更に荷動きしない要因の一つとも考えられる。
どちらにしても月明けについてはじり高から一段階の上げが行われる公算が大きい。
夏枯れと言われてから早くも2か月が過ぎようとしているが、相変わらず市中には荷物の余剰感は全くない。全国のスクラップ発生量は月間で15%程減っているとの意見もあるぐらいだ。
状況としては中国向けの動きが加速している。関東のみならず関西においても中国向けの話がかなりでてきている。円安を背景に価格が吊り上がっているのも原因の一つだ。よって市中の値動きについてもじりじりではあるが上げの方向に向かいつつあると思われる。
大手輸出シッパーの値下げの影響は限定的で、関東・九州のみならず、関西についても中華系業者の動きが活発になってきている。ともすれば値下げに動きそうな状況ではあったが、そういった理由で基本平行推移しそうである。下げの方向はあまり考えられないと思われる。
じわじわと大手輸出シッパーの更なる10円値下げ発表の影響が出てきている。市中の中では値下げが有り得るのではないかとの考え方が大きくなってきている様子がある。関西圏の特殊鋼ミルが値下げをした絡みもある。先週よりも不透明感が増してきているのは間違いない。どちらかといえば弱含みと言えよう。
韓国向け大手輸出シッパーが10/8迄の荷止め延長と10円の値下げを発表した。そもそも購入を9月からしていないのでこの発表で市況に大きな影響を与える事はないだろう。
懸案の韓国ミルについては本格稼働するのは来年の3月ぐらいの話も有り、当該シッパーは当分低空飛行を続けるしかないと思われる。
関東は当該シッパーの影響よりも中国向けを扱う中堅業者の存在感が増している。これがともすれば下落しそうな市況を支えている状況である。但し、昨年の様にどこまでも上がっていくかというとそうでもなさそうで、中国向けが構造的に続くとは思えない。値段が合わなくなればそこまでという見方はそれ程間違ってはいないだろう。