ポスコの件はあるが、じり高傾向にあると思われた市況だが、ここにきて中国向けをけん引していた東北のシッパーがトーンダウンした。一部中国業者が高値も有るが、市況に影響を与えるほどでは無く、これにより中国向けと国内ミル系とはほぼ互角の状況になり、市場は一旦落ち着くことになる。
ポイントは今後韓国ポスコの替わりを中国向けが毎月毎月になっていけるかどうかだと思われる。なれないとすれば、今迄の納入数量を確保できるところに荷物が集まるという事態になるかもしれない。

韓国ポスコの災害で日本の大手シッパーはかなりな苦境に立たされている。シップバックされた船の行方も気になるところであるが、今後どう立て直していくか動向も注視したい。
一方価格をけん引してきた中国向けであるが、青山向けは実態の掴めない噂話が横行しており、他の中国向けの話も有るが、そこまで市況を引っ張る力は無いと思われる。ポスコの件を含めて考えると実態としては下げトレンドの方が優勢ではないかと推測する

現在も中国向けが市場の買い支え要因になっている。着実に上げに向かうというところで先週の韓国ポスコの台風被害が起こり、結果ポスコ向けを扱う各シッパーは緊急荷止め、値下げ等の対応を迫られた。これにより市中においても値下不安が発生し、状況が不安定化している。韓国ポスコがどう対応していくのかで今後の市況も変化するとは思われるが、先ずは今週の動きを注視したほうがいい。

大まかに市況の動きは微量な上げに傾いている。
確かに中国向けが8月の下げ止まりと、値上げ期待をけん引してきた結果全体的な価格スライドとはいかなくなっており、どこが幾らというよりも、もう若干の上げ価格でないと荷が動かないというトレンドになっている。但し、過剰な値上げ期待は無理筋であろう。そもそも中国向けは現在の価格であるから成立しているのであって、ここに10円・20円上げても購入する意思があるとは今の段階では思えない。

市中の取引価格は微増といったところ。中国向けに関してはある一定の価格以上になればそこから先は無いとの感覚は間違っていないと思われる。
輸出シッパーについては以前と購入方針を若干変えてきており、全体として高値を提示せずに、決まったところのみを価格優遇する形としてきている。いわゆるスイングプレーヤーよりも固定の業者さんを優遇するのは至極真っ当な買い方ではある。
どちらにしても5円~10円の幅で値上がれば、そこからはよほどのことがない限り値動きは無いであろう。

価格については凡そ底を打った感がある。寧ろ現在中国向けの輸出に価格が引っ張られ始めている。但し、半年ほど前の様に際限なく上がっていく訳ではなく、今現在の価格があっているので購入しているだけで、合わなくなれば購入しないというスタンスは中国については変わっていないと推察する。国内ミルについても状況は悪く積極的な購入はしていないことから、毎週のように値上がりしていくとは考えづらい。現在より5円~10円値上げれば、そこでストップになるであろう。

LMEが22000ドル台で堅調に推移。大手輸出シッパーが8月に入り10円の値下げプラス荷止め継続を打ち出したが、中国向けの輸出の話もちらほら有り、どうやらここらが一旦底値という状況になってきた。しかしながら、中国向けはたまたま今の足元価格と同様なことから逃げ道になっているものの、価格競争になるかといえば為らないであろう。一時の韓国・台湾の様に対抗して価格を吊り上げる事はまずない。合わなければ買わないというスタンスは一貫していると思われる。おそらく暫くはこの価格帯で推移し、国内ミルが入荷を絞っている逃げ道として機能するといったところであろう。

現状主要輸出先の韓国が非常に状態が悪く、各シッパーも荷止めや、相次ぐ値下げを行ってきた。大手シッパーは今月も荷止め継続且つ10円の追加値下げをアナウンスした。一方国内ミルについては売り上げの先行き不透明感から数量の一部制限を行っているが、大幅な削減は行っていない。価格については市況なりということで、シッパーが強くない現状であれば、それなりの単価にすることには整合性がある。
但し、単価がここ迄落ちてきたことにより中国向けの単価以下という現実も出てきている。中国はスクラップを積極的に購入をしているわけではないが、単価が合えば買ってもいいというスタンスであることから、逃げ道として有り得る状況になりつつある。

先週も10円の値下げで、下がり始めてから合計90円になった。シッパーはどこもかなり状態が悪く、まともに購入すらしていない中で、国内ミルが値下げをしていくのは必然である。スクラップを購入する先が兎に角限られているので、市中では8月に例年では値上げの時期であるから様子を見ようという動きもあるが、今年に限ってそれは無いだろう。
今週も10円程度は後半にかけて下げが有ると考えられる。