先々週大幅下げたLME Ni相場であったが、あっという間に元の水準に戻り、20000ドルを超えた状態は継続になっている。メーカー・シッパー共に、ここ最近表立った動きは見受けられないが裏では着実に価格が上がってきており、今まで以上に分かりづらい状況となっている。今月も値下げという可能性は殆んど無く、強含みで年末を迎えそうである。

先週1週間かけて21000ドル台に到達したLME、Ni相場は金曜日のコロナ変異株発見のニュースから一転、1000ドルを超す大幅値下げとなり、合わせて円安基調であった為替も円高に振れた。市中相場はNi高騰を受けて来週の単価アップもささやかれていたが、最後のどんでん返しにより冷や水を浴びせられた形となった。今月残り二日で相場自体がどうなるかで12月からの単価の変化を確認することになる。

先週と同様に今週についても動きはなく、値動きについても安定を保っている。但し、荷動きに付いては非常に悪く、市中の発生状況はかなり薄い。9月ぐらいと比べると3割程減っているような感覚である。

LMEは19000ドル台を行ったり来たりで、これ以上の値上げの材料にはならない。よって市中状況としては殆んど動きが無かった。
先週韓国メーカーの今月単価の発表が有り、まあまあの幅の値上げが行われた。これを材料に今週動くかどうかに注力したい。

高止まりでの安定期に入ったようである。下げるきっかけも無いが、上げる要素も無い。どちらにしてもマーケットを考えると安定しているのが一番である。
但し、市況としてはじわじわと更なる高値へ移行しているような節が見受けられる。非常にゆっくりとしたスピードであるも、来週後半にはある程度動きが有るのではないだろうか。

LMEのNi相場は2万ドル前後で推移し下がる気配は見受けられない。輸出シッパーは結局下げのアナウンスをするも下げてはおらず、全体的な下げに出た国内ミルについても値戻しの必要性が生じている。積極的な上げに付いてはどこもしようとはしていないが、月初の水準には結局戻ってしまった感はある。

先週各国内ミル及び輸出シッパーが値下げをアナウンスしたが、折しもLMEのNi価格が大幅な上げを見せ、一部輸出シッパーにおいてはアナウンス下にも関わらず値下げを延期するという行為に及んでいる。
一部国内ミルについても若干の高値修正は行われたものの、本格的下げに至ってはいない。全体的にベース価格を下げるチャンスではあったものの、相場の動きによりそのチャンスは潰えた模様。
積極的上げは暫く影を潜めるかもしれないが、高値圏の推移は続く見通し。

LMEの値下がりを受けて、大手輸出シッパーが値下げをしたいという話が伝わると、ここがチャンスとばかりに国内ミル2社は値下げを発表した。輸出シッパーは金曜日にLMEが大幅な戻しになっていた為に今週の前半にて様子を見るという事になっている。これにて一旦上がり続けてきた市況が全体的なペースダウンになるのかどうか、各ミル・シッパー共に歩調を合わせて欲しいものである。

先月後半よりLMEの値下がりが断続的におき、潮目が変わりつつある状況である。7月よりものすごいペースで値上がりしてきたステンレススクラップであるが、ここへきて確実にペースダウンしてきている。余りに指標とかけ離れている単価に各ミルについてもスクラップメリットとの兼ね合いから、下手をするとスクラップ離れが起きる可能性は否定出来ない。これ以上のLME値下がりが有るとすれば、久々の値下げも有りうるかもしれない。

先週後半にLME Niが急落を受けて、ステンレススクラップの価格高騰も一旦落ち着きを取り戻したかと思えるも、今度は外資系輸出シッパーが高買いを行い始め、完全にマーケットを乱す異端児状態になっている。LME自体が急落してからある程度値戻しはされているものの、通常であれば値下がりしてもおかしくないレベルであり、それだけ現在のマーケットが歪なのであろう。