一旦落ち着いたかに見えた市況についても大手輸出シッパーの断続的値上げにより均衡は破られ再度上昇局面に入ってしまった。当面もこの状況は続くと思われるも、ここで一つ懸念点が浮上する。それはスクラップの値上がり速度が速い為に、FeNiとの値差があまりなくなってきていることで、そのうち逆転現象が起こるとすれば、方針転換するメーカーが出てきてもおかしくない気がする。

先週から今週にかけて大手輸出シッパーがLME上昇に合わせ裏値・表値を断続的に上げを行ってきた。一時は小康状態を保つかと思われた市況も、ここにきて値動きが激しくなってきている。勿論国内ミルについても需要は旺盛である為、ここも隋髄というのは間違いない。未だ上げ基調は続くであろう。

月が替わっても状況は大きくは変わらない。LMEを指標するというよりも全て購入先(輸出シッパー・国内ミル)の需給によって市況は動いている。表の値段と裏の値段が絡まり、相変わらずどこが中心値なのか分かりづらい状況である。最近の傾向として国内ミル主導ではなく、輸出シッパーが仕掛けて国内ミルが即座に追随するという従来型の形式に戻ってきている。スクラップ流通量があまり多くないというのもこの狂騒曲に輪をかけている。

先週から今週にかけて大手輸出シッパーが断続的に裏・表と値上げに踏み切り、未だ値上げ合戦が収束する見通しはたたない。勿論、国内ミルについても全体的にスクラップ需要旺盛は変わらずで、その断続値上げにも追いて行っている状況である。九月に入ってもこの構図は先ず変わらないだろう。

輸出シッパーによる裏値上げも更に加速、消耗戦は引き続きという状況。
LMEに付いては先週再度の下落が見られたものの、需給で動いている今となっては、下げの要因とはならない。このペースがいつまで続くのか、誰が脱落するのか、あまり考えたくはないものである。

盆明けより大手輸出シッパーに裏対応の値上げの動き有り。裏対応なのではっきりした確証はないものの、狭い業界であるので噂は直ぐに広まる。これを受ければ、国内ミルについても随時価格対応はなされていくであろう。結局は鼬ごっこである。LMEについても一旦大幅な下げは有ったものの、盆中に元の水準に戻っている。当分下げはありえないだろう。

8月に入り7月のような急激な値上げ合戦は少し鈍化したように思える。余りの上げ幅に各社共にこれ以上の値上げはしたくないという意思表示にも見えるが、それぞれの集荷難に付いては変化が無く、盆明けを見据えた仕込みが着々と行われている節もある。どちらにしても暫くこの状況は変わらないであろう。

表・裏にて断続的な値上げが続いてきたステンレススクラップ相場であるが、8月に来ても同様な状況は変わらない。国内ミルの生産状況は好調にて、継続的なスクラップ需要は少なくとも年内は間違いなく続く見通しである。体力勝負では輸出シッパーの方に分が無いので、今後、特に夏枯れの8月にどの様な対応をとっていくのか注視しなければならない。

LMEが先週終わりに19000ドル台に突入した。一日だけなのでどうなるかは不明だが、全く下げの要因は見当たらない。
輸出シッパー及び国内ミルについては、もういい加減に値上げの連鎖を断ち切りたい希望は有るも、大幅な集荷減がそれを許さない。LMEについても前述の通り下げの要因は無く、各社とも集荷の為には値上げをするしか手が無い状況である。来月は夏枯れの8月なので更なる集荷競争が行われるのではないだろうか。

先週はエアポケットの様にここ最近では動きのなかった週であった。シッパーについても国内ミルにとってもこれ以上の値上げは回避したい思惑は持っているものの、余りの集荷の悪さから週最後になって一部シッパーが裏値を上げて購入するようになってしまった。となれば他社も追随するのは間違いなく、値上げの効果はあまり期待できないであろう。