3月第一週目の後半3日間でLMENi相場は2000ドルの下落を示した。各輸出シッパー及び国内ミルに付いては値下げの様子見に入るも、どうやら大手輸出シッパーが週明けて10円の値下げをアナウンス、値下げに入る模様で、これに対して各シッパー・国内ミルはこれに追随するという図式になる模様。このまま相場は下がり続けていくのか、一旦下げ止まるのか、どちらにしても暫くは落ち着かなさそうである。
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2月に入って一旦は下げになったLMEだが、締まってみれば先月より600ドル以上のあげになった。但し最終日に大幅な下げを付けているので3月スタートはどうなるのか注意が必要である。
確かにLMEの価格からするとステンレススクラップの単価は未だ低い水準ではある。ここのところから再度の値上げが有るのではないかという考えと、もう限界なのではやいところ処分したいという考えに市中では分かれている。
先々週旧正月明けの前倒しで値上げという認識であったところ、急転直下先週末に再度の値上げを大手シッパーが行い、本日から国内ミルについても即追随という形になった。実に2月の値上げは15円に上り、昨年12月より計30円の上げとなっている。
ベースになるNiのLME相場についても19000ドルを突破し未だ上がり続けている。実需の裏付けはあるにしてもいつこのバブルは弾けるのか、すでに警戒している人達も多い。
輸出シッパー及び国内ミルが揃って旧正月明けを待たずして値上げで出揃った。しかしながら市中の状況としては未だ旧正月が明ける今週後半まで様子見の気配が漂っている。
大手輸出シッパーにおいては、今回は北関東の業者が値上げをしたことで刺激を受けて追随したという感じがするほど、あまり積極性が見られない。
韓国ミルの価格が早くも出るも、予想の範囲を超えることはなく、現状市況は非常に静かである。大手輸出シッパーも値上げてはいるものの積極性が有るようには感じられない。
韓国についても旧正月を迎えて、市況は旧正月明けで値動きが有るかどうかに焦点が集まっている。
LMEについても若干下げから小康状態になっている。
Ni系に付いては2月より国内ミルについても5円上げで出揃い、市況的には落ち着く格好になった。Ni価格についてもピークよりは若干下げたものの未だ高い水準で高止まりしている。アメリカのシェールガス関係の経営不振・脱炭素からの電気自動車への方針転換等Ni水素バッテリーを後押しする環境が整いつつある中で、今即のNi暴落があるとは考えづらい。当面この状況は続くのではないだろうか。但し、現状の価格が実需を反映しているとは誰も思っていないのは確かである。
鉄の値下げが関西と関東であきらかな値差が出てきている。関東の下げ幅が大きく、その分クロムの下げも関西は無いが、関東のミルに付いては若干ではあるものの下げが確定している。
大手輸出シッパーが久々に先行して5円値上げを決めた。2月の韓国ミルとの契約が順調に決まった為と思われる。それに対してここ2か月市況をけん引してきた中部ミルは即時の反応を示さず、仮に値上げをするとしても2月になってからという噂もある。
鉄が大幅な下げを示し来月についてはクロムのスクラップも少なからず影響が出てくるのではないかと思われる。
中盤に中部地区ミルが再度5円値上げし、各国内ミルも追随、20日より大手輸出シッパーも5円上げにて、着実にステンレス価格は上昇している。
中部地区ミルは北陸よりの集荷が大雪の為滞り、現在の使用量と合わせまだまだ購入意欲は旺盛で、これから月末にかけて再度の値上げも噂されている。
LMEも一時下げを見せたが、中盤以降着実な値上げをしており、足元で18000ドルを超える状況になっている。但し、他の金属が値下がりを見せ始めているので、どこまで続くのか、バブルは弾けるのか注視していかなければならない。
年明けより国内ミル揃って5円上げで出揃い、輸出シッパーについても10円上げという事で昨年11月の状況に戻った。但し、現在市況をけん引しているのは輸出シッパーではなく、中部地区の特殊鋼メーカーになっている。中部地区が表向きは国内ミルと同水準であるが裏でかなりの単価がついている模様で、その影響が関東にまで出始めている。
中国の輸入解禁により中小の中華系業者についても活発に購入をし始めている。当面は中部地区のミルと中華系業者の動向に目が離せなそうである。
新春を迎え平素のご厚情を深謝し
皆様のご多幸をお祈り申し上げます
令和三年元旦
株式会社ゴトウ
代表取締役 後藤守宏
社員一同