Ni系に付いては2月より国内ミルについても5円上げで出揃い、市況的には落ち着く格好になった。Ni価格についてもピークよりは若干下げたものの未だ高い水準で高止まりしている。アメリカのシェールガス関係の経営不振・脱炭素からの電気自動車への方針転換等Ni水素バッテリーを後押しする環境が整いつつある中で、今即のNi暴落があるとは考えづらい。当面この状況は続くのではないだろうか。但し、現状の価格が実需を反映しているとは誰も思っていないのは確かである。
鉄の値下げが関西と関東であきらかな値差が出てきている。関東の下げ幅が大きく、その分クロムの下げも関西は無いが、関東のミルに付いては若干ではあるものの下げが確定している。
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大手輸出シッパーが久々に先行して5円値上げを決めた。2月の韓国ミルとの契約が順調に決まった為と思われる。それに対してここ2か月市況をけん引してきた中部ミルは即時の反応を示さず、仮に値上げをするとしても2月になってからという噂もある。
鉄が大幅な下げを示し来月についてはクロムのスクラップも少なからず影響が出てくるのではないかと思われる。
中盤に中部地区ミルが再度5円値上げし、各国内ミルも追随、20日より大手輸出シッパーも5円上げにて、着実にステンレス価格は上昇している。
中部地区ミルは北陸よりの集荷が大雪の為滞り、現在の使用量と合わせまだまだ購入意欲は旺盛で、これから月末にかけて再度の値上げも噂されている。
LMEも一時下げを見せたが、中盤以降着実な値上げをしており、足元で18000ドルを超える状況になっている。但し、他の金属が値下がりを見せ始めているので、どこまで続くのか、バブルは弾けるのか注視していかなければならない。
年明けより国内ミル揃って5円上げで出揃い、輸出シッパーについても10円上げという事で昨年11月の状況に戻った。但し、現在市況をけん引しているのは輸出シッパーではなく、中部地区の特殊鋼メーカーになっている。中部地区が表向きは国内ミルと同水準であるが裏でかなりの単価がついている模様で、その影響が関東にまで出始めている。
中国の輸入解禁により中小の中華系業者についても活発に購入をし始めている。当面は中部地区のミルと中華系業者の動向に目が離せなそうである。
新春を迎え平素のご厚情を深謝し
皆様のご多幸をお祈り申し上げます
令和三年元旦
株式会社ゴトウ
代表取締役 後藤守宏
社員一同

国内ミルの値上げが先週終了した。然しながらLMEの上昇は遂に17000ドル台に入り更なる値上げ期待が出ている。
今年国内ステンレススクラップ価格をけん引してきた輸出シッパーは今月に付いては動きを見せず、来月に10円程の値上げの話も出ている。
中国のステンレススクラップの輸入解禁が鉄と共に1/1よりと発表された。実際の運用はもう少し先になる見通しだが、国内のスクラップ市況には大いに脅威となり得る状況になりつつある。
愛知県のミルで18-8スクラップの値上げが先週末に行われた。
これを受けて国内ミル2社に付いては多分追随すると思われる。
今回は輸出シッパーの値上げ無しに国内ミルのみの値上げという事で最近では珍しいケースであり、逆に韓国ミルの動きが鈍ったとも考えられる。
韓国系シッパーが在庫数量・韓国ミルの価格によりおとなしい現在、中華系シッパーが徐々に動きを見せ始めている。これは概ねインドネシア向けと思われるが、来年の中国のステンレススクラップ輸入解禁の為の準備とすれば国内市況の脅威となる。
一方国内ミルの一部で棒線好調により値上げのうわさも有り、そこが値上げに踏み切れば他社についても当然値上げになる公算である。今週はここに注視になるだろう。
LMEの価格が16000ドルを超えた状態で何日か過ぎているも、全体の市況としては静かなまま11月を終えようとしている。12月のスタートについても現状のままで変化はない。
国内価格を引っ張ってきた輸出業者も元気がなく、国内ミルについても需要的に変化はないので、LMEのみ上げ基調であっても国内価格に付いては暫くこのままであろう。
一方、クロム屑に付いては鉄の高騰を受けて一部国内ミルが値上げし、他のミルについても月初より上げの方向でほぼ固まっている。
韓国ポスコの今月価格が据え置きとなる。11月は例年定期炉修があるが購入量は例月並みにあると思われる。
中国のインド向け輸出の影響でアジア地域のコンテナ船が大幅に不足しており、韓国などからも日本向けにスクラップ売却のオファーが散見されるようになってきた。LMEも安定しており、価格に付いてはしばらく小康状態ではなかろうか。
来年中国の鉄とステンレススクラップの輸入解禁を前提として、中小中華系のスクラップディーラーがステンレスを購入に入っている向きもあり、こちらも状況を注視する必要がある。