先週中部ミルがこぞって値上げをした。円安にこそ振れているが、LMEは値下がりを続け、何故ここでというタイミングでの値上げなのか理解に苦しむ。ましてや一方の特殊鋼ミルは数量自体もそれ程必要としていない筈なので余計に理解に苦しむ。発生量が少ないのは違いないのだが、他に目立って高買いしている先もないので単に市況を表しているというよりもごく一部の地域の都合によるものと理解するのが妥当であろう。

為替は150円付近で落ち着いているが、上がりかけていたLMEが再度下落に転じている。ステンレスの価格としての指標には現状なってはいないものの、やはり上がりきらない現状からの下落は、上値を狙っている人からすると冷や水であろう。後はどれだけ需要があるかであるも、関東を例にとると軒並み需要家も価格が強いところもなく、そこも上値を狙う人からすればパッとしないところである。ここ迄きたら大台を狙いたいところではあるも、今一つ上値は重い。発生量が少ない為需給は引き締まっているので決して弱くはないが、上値は重い展開で、余計に荷動きは悪くなっている。

関西方面は着実に価格が上がってきている様子であるが、関東についてはこれと言って高値を付けている先は現れていない。相変わらず発生量は少ないままだが、それでも10月第一週目に比べると幾らか流通量は回復してきている。
そんな事よりも、先週末で大手高炉系ミルが親会社との合併を発表した。来年4月に向けてどの様な戦略を立てて来るのか不明ではあるが、どちらにしても来年以降のマーケットはかなりの影響を受けるのは間違いない。

スクラップの発生量がかなりの低水準である。これはSUS屑に限ったことではないが、産業自体が停滞しているとしか思えない状況である。
実際国内ミルとシッパーの争奪戦が行われるのが常であるも、発生が余りに少なすぎて奪い合うものがないという状況になっている。特に盆明け以降から状況はひどい。これから年末迄にかけて発生自体が上向いていくのかどうか分からないが、この状況は非常にまずい。

LME・為替とも若干輸出に有利な状況になってきている。であるが韓国向け大手シッパーは関東に限っては元気がないままである。他の台湾向け等は若干値戻しをしてきた所もあるが、相場を引き上げる程のインパクトは無かった。但し、発生難と相まって荷動きを止める効果は充分だった。足元の価格から更なる下落は当面無さそうであるも、ここから上昇に転じるとも言い切れない。暫くは踊り場ではなかろうか。

荷動きの無い1週間であった。先週前半は海外向けの価格と国内価格が同水準になりつつある関係で一部その様な話も聞こえてきたが、後半に円高が進み始めると急速にしぼんでしまった。
又、国内価格の急激な値下がりで各業者が考えている事は、簿価が合わないので薄まる迄は出したくないという事、そもそもの発生量が少ないという事、以上3点から様子見状態というのが現在の市況であろう。
どちらにしても上がり目は無く、今週からは値下げで購入している分で簿価も薄まってくる事から、幾らかはマシにはなるのではないだろうか。

先週も先々週と同様にバタバタとした週末であった。そもそも大手シッパーが先行して10円下げていた単価に、国内のミルが1週間遅れで合わせてきたという流れである。ここで落ち着くかどうかは微妙なところで、大手シッパーはここから更に5~10円の値下げを模索している話もある。但し、これ以上の値下げは足元でいうと韓国以外の海外向けの価格に合う事になり、寝た子を起こす事にもなりかねず、混沌としたマーケットを誘発するべきではないと思われる。勿論円高が進めば海外向けは自動的に値下がっていくので、よくよく状況を見極めていった方がいいだろう。

先週ラストに大手国内ミル・中部特殊鋼ミルがこぞって値下げを打ち出し、その後大手シッパーが追加10円下げの発表を行った。これで国内勢が大手シッパーの価格に追いついたと言うや否や更に先に行ってしまった。これは国内需要に比べて海外が数量的に必要としていないのか、それとも価格が弱いのか、どちらにしても海外向けが弱いのは間違いなさそうである。9月1週目の後半辺りか、2週目からは国内勢も追加の下げがあるのは間違いないだろう。下げ幅はそのまま10円いくとは限らないが。

先週は盆休み明けで荷動きは悪いというよりも止まっていると言った方が良い感じである。今週からいくらか動き出すのは間違いないが、市況的に発生が少ない割にはどこも強い需要家も居なく、価格に強気はみられない。寧ろ弱含みでの実質後半スタートといった所だろう。

結局盆休み前には大手シッパーが5回目の値下げ10円、国内大手ミルが4回目の値下げ10円を行い、中部ミルが15円の値下げで、整理すると表面上大手シッパーと関東ミルが並び、国内大手ミルと中部ミルが並んでいる状況である。
一方、盆休み中の状況はLMEも16000ドル前後で推移、為替も140円台後半で推移と、落ち着いていた。
後半からは発生も1週間程度はかなり薄く、荷動きは極端に少ないのは間違いないはずである。しかしながら現状強い材料は無く、更に5~10円の値下げも月末にかけてあっても不思議ではない。
こういう時は慌てず騒がず、淡々とが一番であろう。