LME足元で22000ドルを越えて、一時は23000ドル近くまで続伸する勢いを見せた。この値上げを受けて12月に値下げをした国内ミルは値戻しを行った。輸出シッパーにおいては値上げの話は出ていたが、一部だけにとどまっている模様。各ミル・業者共に高額になってきている原料費に対して、今後はLMEの上り幅分の値上げをするとは考えづらいのが現状である。
急騰した相場は急落する可能性も高いことから、今後の値動きには慎重にならざるを得ない。

年末年始を越えてLME自体は20000ドルを突破、足元では21000ドルも越えた。全体の市況感としてはLMEの値上がりと各社の需給が乖離し始めている。大きく上がっている原料費の高値調整を行い始めていることから、8月~10月ぐらいの値上げは全く期待できそうもない。輸出シッパーについても韓国・台湾あたりの減速も響いており、国内ミルと同様に全体的な値下げには動かないものの、積極的な値上げを行う状況ではない。足元のLMEが上がっていることから、これ以上の下げはしにくいが、値上げにも動けないというのが実情である。

年内は国内ステンレス専業ミル2社のみ値下げた形で終了する見込みで、輸出シッパー及び国内特殊鋼ミルについては価格据え置きとなっている。年明けについては年末年始のLME価格の動向により変化すると思われるが、この状況で推移すれば国内専業ミルについても値戻しがあるかもしれない。大幅下げということになっていれば追加5円の下げも有り得るが、どちらにしても年明けての判断である。

結局大手輸出シッパーはまたしても下げのアナウンスをしながらも全体的な下げには至らなかった。高値修正をする為にアナウンスをしたというのが実際のところだろう。但し、今回は実際下げを行うとすれば絶好のタイミングであったのは間違いない。国内ミルに付いてはこのチャンスを逃さず下げられるときには下げるという姿勢を見せた。メリハリをつけることもあながち間違いではない。

強含みで推移しつつも、大手輸出シッパーが16日からの下げをアナウンスした。市況としての値下げというよりも、韓国ミルとの関係性の中での値下げであり、市況を考えたときにそのまま追随して値下げが行われるか微妙なところである。又、大手輸出シッパーは10月に同様に値下げアナウンスをしておきながら値下げしないという下げる下げる詐欺を行っているので市中の見方も半信半疑ではある。

先々週大幅下げたLME Ni相場であったが、あっという間に元の水準に戻り、20000ドルを超えた状態は継続になっている。メーカー・シッパー共に、ここ最近表立った動きは見受けられないが裏では着実に価格が上がってきており、今まで以上に分かりづらい状況となっている。今月も値下げという可能性は殆んど無く、強含みで年末を迎えそうである。

先週1週間かけて21000ドル台に到達したLME、Ni相場は金曜日のコロナ変異株発見のニュースから一転、1000ドルを超す大幅値下げとなり、合わせて円安基調であった為替も円高に振れた。市中相場はNi高騰を受けて来週の単価アップもささやかれていたが、最後のどんでん返しにより冷や水を浴びせられた形となった。今月残り二日で相場自体がどうなるかで12月からの単価の変化を確認することになる。

先週と同様に今週についても動きはなく、値動きについても安定を保っている。但し、荷動きに付いては非常に悪く、市中の発生状況はかなり薄い。9月ぐらいと比べると3割程減っているような感覚である。

LMEは19000ドル台を行ったり来たりで、これ以上の値上げの材料にはならない。よって市中状況としては殆んど動きが無かった。
先週韓国メーカーの今月単価の発表が有り、まあまあの幅の値上げが行われた。これを材料に今週動くかどうかに注力したい。

高止まりでの安定期に入ったようである。下げるきっかけも無いが、上げる要素も無い。どちらにしてもマーケットを考えると安定しているのが一番である。
但し、市況としてはじわじわと更なる高値へ移行しているような節が見受けられる。非常にゆっくりとしたスピードであるも、来週後半にはある程度動きが有るのではないだろうか。