LMEのNi相場は2万ドル前後で推移し下がる気配は見受けられない。輸出シッパーは結局下げのアナウンスをするも下げてはおらず、全体的な下げに出た国内ミルについても値戻しの必要性が生じている。積極的な上げに付いてはどこもしようとはしていないが、月初の水準には結局戻ってしまった感はある。

先週各国内ミル及び輸出シッパーが値下げをアナウンスしたが、折しもLMEのNi価格が大幅な上げを見せ、一部輸出シッパーにおいてはアナウンス下にも関わらず値下げを延期するという行為に及んでいる。
一部国内ミルについても若干の高値修正は行われたものの、本格的下げに至ってはいない。全体的にベース価格を下げるチャンスではあったものの、相場の動きによりそのチャンスは潰えた模様。
積極的上げは暫く影を潜めるかもしれないが、高値圏の推移は続く見通し。

LMEの値下がりを受けて、大手輸出シッパーが値下げをしたいという話が伝わると、ここがチャンスとばかりに国内ミル2社は値下げを発表した。輸出シッパーは金曜日にLMEが大幅な戻しになっていた為に今週の前半にて様子を見るという事になっている。これにて一旦上がり続けてきた市況が全体的なペースダウンになるのかどうか、各ミル・シッパー共に歩調を合わせて欲しいものである。

先月後半よりLMEの値下がりが断続的におき、潮目が変わりつつある状況である。7月よりものすごいペースで値上がりしてきたステンレススクラップであるが、ここへきて確実にペースダウンしてきている。余りに指標とかけ離れている単価に各ミルについてもスクラップメリットとの兼ね合いから、下手をするとスクラップ離れが起きる可能性は否定出来ない。これ以上のLME値下がりが有るとすれば、久々の値下げも有りうるかもしれない。

先週後半にLME Niが急落を受けて、ステンレススクラップの価格高騰も一旦落ち着きを取り戻したかと思えるも、今度は外資系輸出シッパーが高買いを行い始め、完全にマーケットを乱す異端児状態になっている。LME自体が急落してからある程度値戻しはされているものの、通常であれば値下がりしてもおかしくないレベルであり、それだけ現在のマーケットが歪なのであろう。

一旦落ち着いたかに見えた市況についても大手輸出シッパーの断続的値上げにより均衡は破られ再度上昇局面に入ってしまった。当面もこの状況は続くと思われるも、ここで一つ懸念点が浮上する。それはスクラップの値上がり速度が速い為に、FeNiとの値差があまりなくなってきていることで、そのうち逆転現象が起こるとすれば、方針転換するメーカーが出てきてもおかしくない気がする。

先週から今週にかけて大手輸出シッパーがLME上昇に合わせ裏値・表値を断続的に上げを行ってきた。一時は小康状態を保つかと思われた市況も、ここにきて値動きが激しくなってきている。勿論国内ミルについても需要は旺盛である為、ここも隋髄というのは間違いない。未だ上げ基調は続くであろう。

月が替わっても状況は大きくは変わらない。LMEを指標するというよりも全て購入先(輸出シッパー・国内ミル)の需給によって市況は動いている。表の値段と裏の値段が絡まり、相変わらずどこが中心値なのか分かりづらい状況である。最近の傾向として国内ミル主導ではなく、輸出シッパーが仕掛けて国内ミルが即座に追随するという従来型の形式に戻ってきている。スクラップ流通量があまり多くないというのもこの狂騒曲に輪をかけている。

先週から今週にかけて大手輸出シッパーが断続的に裏・表と値上げに踏み切り、未だ値上げ合戦が収束する見通しはたたない。勿論、国内ミルについても全体的にスクラップ需要旺盛は変わらずで、その断続値上げにも追いて行っている状況である。九月に入ってもこの構図は先ず変わらないだろう。

輸出シッパーによる裏値上げも更に加速、消耗戦は引き続きという状況。
LMEに付いては先週再度の下落が見られたものの、需給で動いている今となっては、下げの要因とはならない。このペースがいつまで続くのか、誰が脱落するのか、あまり考えたくはないものである。