予想を裏切り、大手シッパーが値上げを行った。LMEのNi価格からみれば妥当ではあるものの、売上不振の国内ミルからみれば招かざる値上げの繰り返しである。国内ミルの需給からみれば原料としてのスクラップは現状それ程の必要性がないことから値上げには否定的ではあるものの、マーケットの大勢には逸脱はしない方針ではある。
LMEニッケル価格もじりじりと値を上げてきており、今後についても輸出シッパーが上げて国内ミルが追随するという図式はしばらく続きそうである。

盆前に韓国ミルの価格発表があるも微妙な4円上げに留まり、盆中のLMEのNi価格も目立った増減はなかった。当初韓国ミルの上げ幅で盆明けの値上げも期待されるも、以上の状況で今月は様子見ムードが高まっている。
大手シッパーもこの韓国ミルの単価では追加上げは難しいと思われる。
これから月末にかけてLMEが大幅上げになれば単価は分からないものの、現状を逸脱しないのであれば値上げはあまり期待できないであろう。

7月末に大手シッパーが5円値上げを皮切りに、国内ミル・ディーラーは揃って追随にて結果的には全体として5円上げで落ち着いた。NiのLME価格も14000ドルを超えて、盆明けに韓国ミルの価格がどれほどの上げになるかで、もう一段の値上げがあるかどうかに注目が集まる。

2020年8月3日

7月は最後に大手輸出シッパーが5円の値上げにて終了。韓国ミルの8月生産量回復を受けての処置と思われる。LMEのNi価格も13000ドル後半にて、市場では値上げ期待からスクラップの流通量が一時的に減少している。
注目は8月になり国内ミルが追随するかどうか。業績見通しから言えば値上げしたくないのが本音だと思われるも、直納筋からの圧力も有り、引きずられることになるであろうと思われる。

Ni価格が13000ドル台で推移し、輸出シッパーの動きも停滞している関係で全体的には静かな状況になっている。スクラップの集荷自体は先月に比べると上向き。市中発生量も想定された程低空飛行にはなっていない。日本の中小製造業は車の製造が動き出すと全体が動き出す傾向が有り、他力本願になってしまうが、何とか自動車メーカーには頑張っていただきたいものである。

インドネシアの青山集団のステンレス製品が全世界でADをかけられ、販売が苦戦を強いられているそうで、その分を韓国と台湾が吸収し始めている話も散見されております。最近、台湾や韓国からのステンレススクラップの引き合いが国内で高まっているのもその影響かもしれません。
さて、国内に目を向けると国内ミルは現状を打開する販売数量を未だ確保出来ておらず、上期の減産基調は相変わらずになっております。スクラップの使用量も上がらずですが、市中発生についても同様に量が上がらずで、本格的に動くのは下期以降になる見込みです。

7月に入りLME Ni市況は7月に入り6ドルを超えて現状6ドル前後を行き来している。各業者が値上げをするも、荷動きは相変わらず低調。
7月からは自動車の生産量が概ね戻るなどの要因もあり、製品市況的には底は見えつつある。
但し、スクラップ市況にそれが反映するにはまだ数か月かかると思われる。

2020年7月6日

輸出シッパーが月内に入り値上げをした事を皮切りに国内のミル及びディーラーも一斉にそれに追随する形になった。
本来の製品市況が悪い中ではあるも、先月より続いている「無い物高」と将来的なステンレススクラップの集荷力の減退を懸念し、国内ミルは値上げを決定した。
スクラップ流通量は6月から明らかに減ってきており、輸出シッパーにおいても契約トン数確保は中々難しく、ある程度利幅を削っても集荷をするという思惑も透けて見える。

6月も終盤に入り輸出シッパーが7月以降の荷出しを睨み集荷意欲を高め、スクラップ発生減も加わり購入単価もじりじりと上積みされてきている。日本の国内ミルも前回の値上げには同調したものの根本的な販売不振は変わっていない為、今のジリ高に追随出来るかは不透明である。現状のまま推移するのであれば、その間にかなりな数量のスクラップが海外に流出するであろうと推測される。

6月中旬に入りステンレス(304)スクラップの相場はようやく動きを見せ、先週末の国内ミル2社と輸出大手の値上げ発表で、目先は国内大手ミル1社の動向に注目される。既にこれを受けて市中の問屋、中間業者は同調値上げで集荷を重視する傾向に入った。
深刻な発声不足とLMEニッケル価格の上昇が値上げ材料の主な要因になっている。