状況が変わってきている。市中では大手輸出シッパー及び高炉系ミルを除いて夫々の需要家がどんどん値下げを行っているが、海外では息を吹き返したインド向け、下げ止まった感のある中国向けが転機を迎えていそうな状況になっている。ある程度在庫で抱えている業者の存在と、発生自体も少ない中で、流通量自体はかなり先細っている。下げ止まり感が出たところで、ゴールデンウイーク明けには先高観も出るのではないかと思われるが、そうなると更に荷動きは悪くなるだろう。需要家の購入意欲は先細ったままであるので、需給のバランスは意外とマッチするかもしれない。

先週大手輸出シッパーが荷止め明けのタイミングで本日からの5円下げを発表した。これで関東専業ミル以外は3月から30円下げで揃った。但し、夫々の思惑は更に追加の下げに向かっている。海外市況の悪化から未だ5円~10円の下げ余地を残しているからである。
今週もひょっとすると5円程度の下げは在り得るだろう。
ここ半年の市況を支えてきた中国向けは価格の下げを通り越して購入自体に消極的になっている。一方フレートが改善されたインド向けが現状の日本市況と合致する価格をつけ始めた。価格はともかく日本国内で吸収しきれない余剰玉を受ける受け皿となるか注視したい。

下げ合戦が止まらない。3月から数えて25~30円の下げが日本国内で行われた。今週からは関東専業ミルが合計で35円目となる値下を行う。これを受けて現在荷止め中の大手輸出シッパーと高炉系ミルがそこに合わせて動きを取るかどうかで今週又一波乱在りそうである。妥当にいけば関東専業ミルに合わせるという事だが、果たしてそうなるかどうか、一つの目安としては輸出シッパーの荷止め明け前の12日がポイントになる。
一方海外向けも着実に値下がりしてきている。先週で安値1400ドル強(CIF)迄下落していることから、日本の国内の値下げを更に後押ししている状況である。

先週各需要家が月間トータル20円の値下げで出揃った。一旦これで落ち着きそうであったが、海外向けの価格が下落を続けており、大手輸出シッパーは本日からの5円値下げをアナウンスしている。前回分割して値下げした影響で想定以上の荷物が入荷し、日を経てず値下げをする状況になってしまったのであろうが、市況の現状として未だ10~15円の下げ余地は残っていると思われるので、あながち荒唐無稽な値下げとは言えない。寧ろ前回と同様に5円とは又中途半端な数字である。
国内需要家の製品販売が一向に上向かない中で、原料の需要がかなり薄まっている。この状況は上期一杯迄続く恐れがあり(若しくはその先迄在るかもしれない)、どちらにしてもステンレススクラップについてはかなり厳しい状況が続きそうである。

先週各需要家が10円下げを発表したが、それに輪をかけて海外の価格の下落が止まらない。中国向けで言うとCIFで1400ドル台に突入している。これは足元の為替にて190円を切りそうな価格帯である。そもそも国内需要家には需要自体が薄いので、そこから考えるに近々で最低でも後10円は値下げ、更にはその先も有り得る状況である。
先ずは大手輸出シッパーが5円の値下げをアナウンスした。これは大手国内ミルへの呼び水であろう。本来は5円で済むわけは無く、この行為に乗って大手国内ミルが下げ発表を促し、その下げ幅によってはそれに合わせる形をとって追加値下げを行う筈である。

先週末に関東専業ミルが月末迄の荷止め延長を発表、それをトリガーとして国内大手ミル・国内特殊鋼ミル・大手輸出シッパーと軒並み国内の需要家が10円値下げをアナウンスした。今迄中国向けに対抗しての価格維持が行われてきたが、そもそもの国内需要の低下・中国国内価格の低下・LMEの値下がり・円高傾向と値下げを行うに十分な条件が揃ってしまった結果、価格維持の必要性は無くなってしまった。各需要家共我慢の購入をしてきたが、ようやく値下が出来たというところであろう。
これでボトムかというと、どうもそうは思えない。冷静に考えると未だ5円程の下げ余地は残っているのではないだろうか。

そもそも数量を絞りたい国内専業ミルが市況とは別に個別の判断にて値下げを行い始めた。大手国内ミルも必要以上に数量がいらないのは同様であるがひとまず弱いながら市況並みの対応はしている。ここへきて中国向けの動きも萎む中で、久々に大手輸出シッパーが存在感を強めてきている。価格的には一時に比べればそれ程高いとは言えないまでも、今の足元では最高値になっており、荷動きが非常に悪い中で着実に屑は集まっていると思われる。どこまでそれが続くのか静観したい。

月が変わったものの、市中の状況は殆ど変化がない。強気は殆ど無いものの、かと言って弱気一辺倒でもない。国内メーカーの購入姿勢は先月よりも落ち込んでおり、又、中国本土の買値もLMEの下落により先週辺りからかなり下がってきている。ここに台湾向けであったり、インド向けであったりが、そこそこの価格を提示してきている為に、下がりそうで下がらないといった状況を作り出している。一つ言えるのは、今は物を抱える時期ではなく、フロー集荷の分はフローで出荷するのがベストではないかと思われる。

状況は先週と変わらず、弱含みのまま推移している。一部中華系業者の中には未だ高値が残っているとこともあるが、市況を支える程ではない。
LMEについても、ここのところ着実に下がってきている。最近ではあまり指標にはならないものの、一応ここにも上げを意識させる要素は皆無である。
このままいけば3月は下げが濃厚なのではなかろうか。

全体的にかなり状況は悪い。荷動きも悪いが、需要家の購買意欲も全く上がらない。頼みの輸出についても、為替は先週後半から円安に振れているが、メインとなる中国国内の購入価格が一般的にCIF1700ドル~1750ドルだったものが円安とともに1650ドル付近迄下落、国内価格としては@210でも厳しい状況である。となれば、市中の相場も最低5円程下落しても致し方ない状況になりつつある。