先週より大きな変化はない。現状荷動きが少ないというのは変わらず。荷動きはそもそも少ないのだが、ある程度数量を持っているところは、上げ基調から様子見に入っているのも更に荷動きしない要因の一つとも考えられる。
どちらにしても月明けについてはじり高から一段階の上げが行われる公算が大きい。
市況
夏枯れと言われてから早くも2か月が過ぎようとしているが、相変わらず市中には荷物の余剰感は全くない。全国のスクラップ発生量は月間で15%程減っているとの意見もあるぐらいだ。
状況としては中国向けの動きが加速している。関東のみならず関西においても中国向けの話がかなりでてきている。円安を背景に価格が吊り上がっているのも原因の一つだ。よって市中の値動きについてもじりじりではあるが上げの方向に向かいつつあると思われる。
大手輸出シッパーの値下げの影響は限定的で、関東・九州のみならず、関西についても中華系業者の動きが活発になってきている。ともすれば値下げに動きそうな状況ではあったが、そういった理由で基本平行推移しそうである。下げの方向はあまり考えられないと思われる。
じわじわと大手輸出シッパーの更なる10円値下げ発表の影響が出てきている。市中の中では値下げが有り得るのではないかとの考え方が大きくなってきている様子がある。関西圏の特殊鋼ミルが値下げをした絡みもある。先週よりも不透明感が増してきているのは間違いない。どちらかといえば弱含みと言えよう。
韓国向け大手輸出シッパーが10/8迄の荷止め延長と10円の値下げを発表した。そもそも購入を9月からしていないのでこの発表で市況に大きな影響を与える事はないだろう。
懸案の韓国ミルについては本格稼働するのは来年の3月ぐらいの話も有り、当該シッパーは当分低空飛行を続けるしかないと思われる。
関東は当該シッパーの影響よりも中国向けを扱う中堅業者の存在感が増している。これがともすれば下落しそうな市況を支えている状況である。但し、昨年の様にどこまでも上がっていくかというとそうでもなさそうで、中国向けが構造的に続くとは思えない。値段が合わなくなればそこまでという見方はそれ程間違ってはいないだろう。
ポスコの件はあるが、じり高傾向にあると思われた市況だが、ここにきて中国向けをけん引していた東北のシッパーがトーンダウンした。一部中国業者が高値も有るが、市況に影響を与えるほどでは無く、これにより中国向けと国内ミル系とはほぼ互角の状況になり、市場は一旦落ち着くことになる。
ポイントは今後韓国ポスコの替わりを中国向けが毎月毎月になっていけるかどうかだと思われる。なれないとすれば、今迄の納入数量を確保できるところに荷物が集まるという事態になるかもしれない。
韓国ポスコの災害で日本の大手シッパーはかなりな苦境に立たされている。シップバックされた船の行方も気になるところであるが、今後どう立て直していくか動向も注視したい。
一方価格をけん引してきた中国向けであるが、青山向けは実態の掴めない噂話が横行しており、他の中国向けの話も有るが、そこまで市況を引っ張る力は無いと思われる。ポスコの件を含めて考えると実態としては下げトレンドの方が優勢ではないかと推測する
現在も中国向けが市場の買い支え要因になっている。着実に上げに向かうというところで先週の韓国ポスコの台風被害が起こり、結果ポスコ向けを扱う各シッパーは緊急荷止め、値下げ等の対応を迫られた。これにより市中においても値下不安が発生し、状況が不安定化している。韓国ポスコがどう対応していくのかで今後の市況も変化するとは思われるが、先ずは今週の動きを注視したほうがいい。
大まかに市況の動きは微量な上げに傾いている。
確かに中国向けが8月の下げ止まりと、値上げ期待をけん引してきた結果全体的な価格スライドとはいかなくなっており、どこが幾らというよりも、もう若干の上げ価格でないと荷が動かないというトレンドになっている。但し、過剰な値上げ期待は無理筋であろう。そもそも中国向けは現在の価格であるから成立しているのであって、ここに10円・20円上げても購入する意思があるとは今の段階では思えない。
市中の取引価格は微増といったところ。中国向けに関してはある一定の価格以上になればそこから先は無いとの感覚は間違っていないと思われる。
輸出シッパーについては以前と購入方針を若干変えてきており、全体として高値を提示せずに、決まったところのみを価格優遇する形としてきている。いわゆるスイングプレーヤーよりも固定の業者さんを優遇するのは至極真っ当な買い方ではある。
どちらにしても5円~10円の幅で値上がれば、そこからはよほどのことがない限り値動きは無いであろう。