大まかに市況の動きは微量な上げに傾いている。
確かに中国向けが8月の下げ止まりと、値上げ期待をけん引してきた結果全体的な価格スライドとはいかなくなっており、どこが幾らというよりも、もう若干の上げ価格でないと荷が動かないというトレンドになっている。但し、過剰な値上げ期待は無理筋であろう。そもそも中国向けは現在の価格であるから成立しているのであって、ここに10円・20円上げても購入する意思があるとは今の段階では思えない。

市中の取引価格は微増といったところ。中国向けに関してはある一定の価格以上になればそこから先は無いとの感覚は間違っていないと思われる。
輸出シッパーについては以前と購入方針を若干変えてきており、全体として高値を提示せずに、決まったところのみを価格優遇する形としてきている。いわゆるスイングプレーヤーよりも固定の業者さんを優遇するのは至極真っ当な買い方ではある。
どちらにしても5円~10円の幅で値上がれば、そこからはよほどのことがない限り値動きは無いであろう。

価格については凡そ底を打った感がある。寧ろ現在中国向けの輸出に価格が引っ張られ始めている。但し、半年ほど前の様に際限なく上がっていく訳ではなく、今現在の価格があっているので購入しているだけで、合わなくなれば購入しないというスタンスは中国については変わっていないと推察する。国内ミルについても状況は悪く積極的な購入はしていないことから、毎週のように値上がりしていくとは考えづらい。現在より5円~10円値上げれば、そこでストップになるであろう。

LMEが22000ドル台で堅調に推移。大手輸出シッパーが8月に入り10円の値下げプラス荷止め継続を打ち出したが、中国向けの輸出の話もちらほら有り、どうやらここらが一旦底値という状況になってきた。しかしながら、中国向けはたまたま今の足元価格と同様なことから逃げ道になっているものの、価格競争になるかといえば為らないであろう。一時の韓国・台湾の様に対抗して価格を吊り上げる事はまずない。合わなければ買わないというスタンスは一貫していると思われる。おそらく暫くはこの価格帯で推移し、国内ミルが入荷を絞っている逃げ道として機能するといったところであろう。

現状主要輸出先の韓国が非常に状態が悪く、各シッパーも荷止めや、相次ぐ値下げを行ってきた。大手シッパーは今月も荷止め継続且つ10円の追加値下げをアナウンスした。一方国内ミルについては売り上げの先行き不透明感から数量の一部制限を行っているが、大幅な削減は行っていない。価格については市況なりということで、シッパーが強くない現状であれば、それなりの単価にすることには整合性がある。
但し、単価がここ迄落ちてきたことにより中国向けの単価以下という現実も出てきている。中国はスクラップを積極的に購入をしているわけではないが、単価が合えば買ってもいいというスタンスであることから、逃げ道として有り得る状況になりつつある。

先週も10円の値下げで、下がり始めてから合計90円になった。シッパーはどこもかなり状態が悪く、まともに購入すらしていない中で、国内ミルが値下げをしていくのは必然である。スクラップを購入する先が兎に角限られているので、市中では8月に例年では値上げの時期であるから様子を見ようという動きもあるが、今年に限ってそれは無いだろう。
今週も10円程度は後半にかけて下げが有ると考えられる。

週20円ぐらいのペースで単価の下落が続いている。兎に角輸出シッパーの荷止めが市況の下落を招いているのは間違いない。但し、LMEのNi相場も着実に下落しており、足元21000ドル台に到達しており、そこから考えると整合性が無いわけではない。
来月から輸出シッパーが荷止めを解除する筈であるが、段階的に値下げも行われているので、いくらで買い始めるのか現状では推測できない。
この状況だと、遠くない未来に炉前価格200円を切ることも想定しておかなければならないかもしれない。

状況は更なる値下げへと向かっている。LMEも順調に(?)下降を続けており、足元21000ドル台に迄到達。しかしながらここ迄市況が悪化している背景は通常フロー発生の3割を消化していた各地のシッパーが軒並み荷止め・大幅値下げを行っていることが主な原因である。国内ミルについては価格こそ値下げを実施しているものの、一部定修の為に荷止めもあるが、基本的には購入数量は減少していない。但し、余計に購入することはしていないので、余った屑を吸収するところまではいっていない。
価格については未だ底は見えない。

値下げの勢いが止まらない。台湾や韓国向けの今迄市況をけん引してきた大小の輸出シッパーが完全に買い気を喪失している事が大きなポイントである。一説には在庫の抱えすぎや資金繰り的な問題も取りざたされているが、長期にわたる荷止めや、急激な値下げにて、市中相場の値下げけん引役となっている。国内ミルについては基本的な需要は変わらないが、輸出向けであった玉の吸収まではいかないことが現在の荷余り状態を生んでいる。ごく近いうちに200円も切ってくるのは間違いない。

大手輸出シッパーが10円追加下げ(TOTAL30円)プラス月末までの荷止めを正式に発表した。最終週からは関東ミルも定修における荷止めを予定しており、一層スクラップの納入先が無いという状況が続いている。大手輸出シッパーは7月も荷止め延長という噂も出ており、市況自体はかなり弱い。
となれば、LMEも25000ドル台まで来ていることから、10円の追加値下げも近日中に充分あり得る話である。